会計事務所/税理士のための決算診断システム「社長の四季」

株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

会計事務所経営・企業経営のお役立ちコラム

世間の学校
数字は語る「30 兆円」

 経済社会の基礎は、企業にある。企業が頑張ってくれなくては、経済が良くならない。企業を見る時、特に大
切なのが、企業がこれからどう動くか、とりわけ投資が問題。同じ事をくり返していたのでは、生き残れない。
グローバルの時代では世界での競争が不可欠、その戦いは激しさを増す。スピードの時代における企業競争は、
熾烈を極める。生き残り競争は息をつく暇もない。更に AI、IT の進化による情報化の時代も競争を加速させる。
企業の生き残りにとって一番大切なのが投資。企業の投資には、目先の利益対応、生産、販売対応の在庫投資も
あるが、長期を見据えて、しっかりした設備投資こそ、企業投資の本流。設備投資には、多額の資金が必要。
そして、投資のための資金、投入から投資完了してからの事業展開、事業貢献にもある程度の期間がかかる。

 このため、長期にわたる資金の固定化は企業財務を圧迫する。そのため、設備投資にはタイミングが必要であ
り、これを失すると倒産にもなりかねない。しかし、手を抜くわけにはいかない。日本経済新聞が国内の上場企
業と資本金 1 億円以上の有力企業 950 社を対象に 2022 年時点での設備投資計画を集計したところ、設備投資
総額は前年比 25.1%増の30兆円越えで、過去最高となったようだ。将来が明るいから設備投資をするのか、将来
が不安でも設備投資をせざるをえないからなのか。再生可能エネルギー、電気自動車、脱炭素、サプライチェー
ンの再構築、DX(デジタルトランスフォーメーション)対応・・・テーマは多く、現状維持は許されない。
大企業のこの動きを中小企業も良く見ておかないと乗り遅れてしまうかもしれない。

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取締役会長
浅沼邦夫