2023/01/30世間の学校
人を読む「角川歴彦(カドカワ ツグヒコ)」
KADOKAWA 元会長。企業を大きくして、登り詰めた人が晩節において犯罪者となり、地獄に墜ちて行く人が
いる。リクルートの江副浩正、ライブドアのホリエモン、グッドウィルの折口雅博、駅前留学 NOVA の猿橋望。
せっかくすばらしい企業を作り上げたのに、功なり名を挙げた人が哀れな末路をたどるのはなぜか。「やり手」
といわれた経営者の終末はどこにあるのだろうか。これらの人々に共通している事は 1 つ。犯罪に手を染めた
こと。
しかし、本人は全く意識していない。いつもと同じ事をやっただけなのに。何が犯罪かが明確なものもある
が、複雑になった現代の経済社会では、犯罪と非犯罪の区別が不明確なものがある。経済社会の犯罪といえば、
会社のものを盗む窃盗、会社のものを私的に流用する横領、会社の業務に忠実でなかった背任がある。しかし、
犯罪は、これ以外にもある。各人にとって、「なんでこれが犯罪なの?」という疑問もある。共通しているも
のとして、次の点があげられる。
① 自分について自信がある(自信があるからこそリーダーシップを発揮できた)
② 他人の意見を聞かない(専門家がいても専門家に相談しようともせず、 専門家の言うことを聞かない)
③ 自分の決定に他人を関与させない
角川歴彦は、実際には角川家の三代目であるが、彼の時代に一介の書店を上場企業にするとともに IT 企業の
ドワンゴとの経営統合で統合メディア企業としており、実質的には、創業者といえる。仕事をしてくれたのにお
金を渡して何が悪い。お世話になった人にお金を渡してどこが悪い。今回の問題は、この延長線上の問題とし
て、日常的な何気ない行為に潜む法令違反を注意する必要があるのかもしれない。