2023/01/30世間の学校
時流を読む「会計の広がり-インパクト会計へ」
会計は、経済活動を写しとる鏡のようなもの。従って経済活動の変化に応じて会計は変化していく。外国為替
において固定相場制から変動相場制への移行に伴い、為替換算制度が変わり、企業のグループ化によって個別決
算から連結決算への変更、インフレからデフレの時代に入って含み損を顕在化する。時価会計・・・企業は生き
残りをかけて経済活動を変えて行かなければならない。それに応じて会計の世界も変わっていかざるを得ない。
そして、企業が成長していくためには絶えざる投資が不可欠。しかし、投資には不確実性がつきもの。
そこで今、インパクト投資が問題となっている。投資は伝統的にリターンとリスクの自分だけの関係で捉える
が、投資は第三者に対してもインパクトを与える。すなわち伝統的な経済的リスクリターンの獲得のみを考える
投資に対して、投資を通じて社会的課題の解決を目指す投資の広がりを考えるようになってきた。企業が社会的
存在である以上、その投資行動が社会的にどのような影響を与えるかは大切なこと。しかし、その計測方法をめ
ぐって争いがあり、会計は測定不可能なものを対象とすることができない。インパクト会計は投資リスク、リタ
ーンと社会や環境への好影響の両立を目指すもので、会計への取り組みが始まってきたばかりの新しい概念。
エーザイ、積水化学工業、ドイツの化学大手 BASF・・・。
いずれにしても会計を考える時、その原点は、経済活動にあることを忘れないで欲しい!SDGs(持続可能な開
発目標)も企業に行動変容を求めるだけでなく、これも企業の経済活動の変化を生じる。ここにおいても会計へ
の対応、特に会計の広がりがでてくると思われる。