2022/08/31世間の学校
話題の企業「キーエンス」
何度か取り上げたことのある会社でもある。それだけ新しい状況を作っている会社なのだろうし、学ぶべき事
も多い会社でもある。1974 年設立の会社。FA センサー等の検査、計測、制御機器の大手。ライバル会社はオム
ロンとファナックで、いずれも工場の省人化、無人化への対応としてのセンサー開発。2022 年 3 月期、売上高
約7,500 億円、営業利益約 4,100 億円、最終利益約 3,000 億円。1 株当たり利益 1,251 円、1 株当たり配当 200 円、従業員 8,961 人、海外取引比率 59%、株式時価総額 12.5 兆円(NTT が 14.4 兆円)。
何がすごい会社かというと、①財務的には自己資本比率 93.5%(完全無借金会社)、②営業利益率 50%以上、
③従業員の平均給与 2,000 万以上、どれをとってもピカイチ。財務の優等生のみならず、あらゆる面ですごい会
社である。どうしてこんな成績を出せるのか。不思議に思うのが当たり前。その秘密は、どこにあるのか。今回
は、ソコを探ってみよう。一般的な営業だと優秀な営業マンという個人プレーが多い。しかも、優秀な営業マン
ほど、自分だけが成果を出し、他人には教えない。自分だけの人脈づくりに励む人が多い。しかし、キーエンス
は違う。ポイントは①外出報告書と②SFA(Sales For Automation 経営支援ツール)。一般的な企業では、営業
マンは毎日、顧客に行って注文を取ってくる。そして、外出記録を報告する。あくまでも個人技として営業は行
われている。営業成績が良ければ評価されるし、悪ければダメ。あくまでも結果中心主義。
しかし、このやり方では、個人本意、個人中心主義でその人がいなくなったらダメ。組織としての営業力の持
続力がない。しかし、キーエンスは違う。どうしてキーパーソンをみつけたのか、キーパーソンとどのような会
話をすることにより、成果を出せるのか。どの時間帯での訪問が効果的・・・あらゆる営業プロセスが文書化、
見える化されて、「知の共有」が行われている。「情報の共有」に意味をもたらせるだけでなく、その情報を深
化させるのが「知」であり、「知の共有」があってはじめて持続的、継続的な営業の向上がはかられるのだ。
キーエンスから学ぶべき事は多い。