会計事務所/税理士のための決算診断システム「社長の四季」

株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

会計事務所経営・企業経営のお役立ちコラム

世間の学校
時流を読む「ドル独歩高」

 世界全体で経済の動きがおかしくなってきた。新型コロナ禍も 3 年目を迎え、そろそろ下火になるかと思わ
れた時、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻。これが石油や小麦の問題とグローバル化から分断の時代へ逆戻
り。世界は 3 極に分かれそうだ。ヨーロッパ、アメリカを中心として欧米諸国は民主主義と自由貿易を目指す。
一方ロシア、中国等は、かつてのワルシャワ条約機構を思い出させる。独裁国家、権威主義の国として、そし
て、その中間のインドを中心とする第三世界。残されたアフリカ、南アメリカをその 3 者が自グループへの参
加を求める形で。いずれにしても、こうした戦時的状況になると、圧倒的に強いのがドル。ドルのひとり勝ち、
ドルの独歩高といえる。

 我々は、今、円安、円安と騒いでいるが、全ての通貨がドルに対して安くなっており、ドル高が進んでいる。
有事のドルだけでなく、資源力、技術力、軍事力の総合力ではドルは、やはり強い。このドル高は、どこまで行
くのか。コロナの収束。ウクライナ問題の終結の目途がたたない限り不透明な時代が続きそうだ。今までの考え
方を総点検、総棚卸しをする時代に入ってきた。資源のある国と軍事力のある国だけが、グループを構成できる
のかもしれない。日本が属するグループは当然、欧米連合だが、決して平坦な道とはいえないかもしれない。ま
さに前提が変わった新しい時代への突入なのかもしれない。

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取締役会長
浅沼邦夫