2022/07/25世間の学校
言葉は語る「くじ引き民主主義」
今、民主主義がおもしろい!今、民主主義に関する本が売れている。
①民主主義とは何か(宇野重規著 講談社現代新書)
②くじ引き民主主義(吉田徹著 光文社新書)
③代表民主主義はなぜ失敗したのか(藤井達夫著 集英社新書)
④『くじ引き民主主義』の時代へ(伊藤伸著 朝陽会)
⑤現代民主主義(山本圭著 中公新書)
民主主義国といわれる欧米型の政治がおかしくなっている。ベルリンの壁の崩壊、東西冷戦の終結により、資
本主義・民主主義・市場主義 v.s.社会主義・統制経済の戦いで、資本主義・民主主義・市場主義が勝利したこと
で「歴史の終わり」として、これからは全ての国家が資本主義・民主主義・市場主義に行くものと思われた。し
かし、終わってみれば、全く違っていた。民主主義・資本主義は一体化し、国民の自由を保障し、自由な競争が
経済の活力をもたらすと同時に経済格差をもたらす。しかし、その経済格差は政府によって再分配政策で調整さ
れ、分配の公正を通して平等・公平な社会をもたらすとしている。しかし、日本、アメリカ、ヨーロッパの現実
はどうか。経済は停滞するし、格差は拡大している。
それに対して、中国の躍進は著しい。その経済成長は目を見はるものがあり、人口 13 億人の国家へ世界が群
れをなして参入し、今や中国なしでは、経済は持たない。一方、中国では共産党の一党独裁で強権政治が行われ
ているが、国民は政府を信頼しており、共産党独裁政治は盤石である。日本やアメリカやヨーロッパでは、選挙
と政党制を機能とする代表民主主義である。これが行き詰まっている。政治は決めごとであり、決め方が問題。
できるだけ多くの人々が参加して議論して決めればより良い結果をもたらすというのが民主主義の考え方。しかし、投票率 50%位で組織力のあるものだけが参加して、決めるのであれば、別の決め方としてのくじ引きもあ
るのかもしれない。要は、どのような決め方が望ましいのか。現実的な答えは難しい。