2022/07/25世間の学校
人を読む「栗原はるみ」
普通の主婦から料理研究家へ。それは夫の一言「僕の帰りを待っているだけの女性にならないで」。そして、
家庭料理を深化して料理研究家へ。キーワードは「手を抜かない」。1947 年生まれの 75 才。静岡県下田市出
身。地元の高校を卒業して東京の短大へ。1973 年、26 才の時に栗原玲児と結婚。栗原玲児はタレント、実業家、キャスター、司会者として活躍。人気番組「木島則夫モーニングショー」「スター千一夜」などで活躍した
人。専業主婦として夫に従い、夫においしいごはんを食べさせて元気で働いてもらいたい一心で毎日を過ごして
いた。
そんな時 40 才位前に夫からの一言。「僕の帰りを待っているだけの女性にならないで」と。夫から自分の途
を探すように背中を押されたのがきっかけ。私に何が出来るのか、探してたどりついたのが「料理」。普通の主
婦だった人が料理研究家の道へ。毎日作っている家庭料理にこそ料理の真髄があるのかもしれない。なんとなく
柳宗悦の「民芸」の精神に通じるものがあるのかもしれない。「ごちそうさまがききたくて-家族の好きないつ
ものごはん」「もう一度、ごちそうさまがききたくて-ちかごろ人気のうちのごはん 140 選」「栗原さんちのお
やつの本」「わたしのいつものごはん」・・・料理レシピ本としては、200 万部を越える異例の出版。料理学校
では家庭で出来ないものを教えるのが定番だが、家庭料理こそ本当の料理かもしれない。家庭料理がこんなにお
いしいのかを改めて教えてくれる人が普通の家庭の主婦であるとは。「手を抜かない」仕事からプロへの道が見
通せるのかもしれない。