2022/05/10世間の学校
時流を読む「メタバースの時代へ」
我々の社会は、一定の前提やルールの下での最適化を求めてゲームを進めている。従って、ルールが変われ
ば、我々の行動も変えていかなければならない。今、そのルールが変わり始めている。世の中の前提やルールが
大きく変わる「ゲームチェンジ」の時代がやってくるという。国家、社会、経済、企業・・・あらゆる分野で既
存の枠組みがくずれ、社会の分断、格差の拡大、環境問題等々の様々な限界が人類に突きつけられている。
メタバースとは、「超越」を意味する「メタ」と世界を意味する「ユニバース」の「バース」を組み合わせた
造語。仮想現実(VR)ゴーグルなどを使い、アバター(分身)で個人が自由に行動できる空間を指す。2021 年
にGAFA として知られた巨大企業の 1 つ、アメリカの Facebook が、社名を「メタ」に変え、本格的に参入した
ことで、一躍注目度が高まった。そして、これについては、マイクロソフトも巨額の買収を通して進出してお
り、日本でも KDDI が取り組み始めている。ある調査によれば、その市場規模は 2020 年に約 5.5 兆円だったも
のが、2028 年には、100 兆円に迫るという。
メタバースにおいては、利用者はヘッドマウントディスプレイを付けて空間(3 次元空間)に入り込み、中で
は分身キャラクターである「アバター」が動き回り、仮想の街を移動したり、実際に買い物も楽しめるし、コン
サートにも行ける。2018 年の SF 映画「レディ・プレイヤー1」(スティーブン・スピルバーグ監督)が、環境
汚染で荒廃した将来の現実世界と人々が第二の生活を送る「オアシス」という VR(仮想現実)世界を対照的に
描いて、メタバースの将来像を示した。どんな時代がくるか、何があっても大丈夫となるには、相当の心構えが
求められそうだ。