2022/04/05世間の学校
話題の企業「スターバックス労働組合(スタバ労組)」
労働組合というと、経営者側から見ると最もいやな集団であり、賃金を初めとする労働条件の改善を求める戦
闘的集団として、嫌われることが多い。特に中小企業において「労働組合を作る」というと、会社に対する反逆
行為として、嫌がられているのが実情。そのため大企業や役所において、労働組合はあるが、中小企業において
は無縁の存在と考えられていた。労働組合そのものは、労働者の権利を守るために憲法や労働法上認められた合
法的な存在であるにも関わらず、中小企業においては経営への障害物と考えられていた。役所や大企業では仕方
なく労働組合との交渉を持っており、できれば無いに越したことはないと考えられていた。また、大企業では店
舗が世界的に散らばっていて、一店舗あたりの従業員が 10 人以下のようなところでも労働組合を作るということ
はなかった。しかし、労働基準法という強行法規によって、労働条件の最低限は確保されており、労働組合を作
ることは何の不思議でもない。働き手がいくらでもいる人余りの時代では、いやな従業員をやめさせても代わり
の人はいくらでもいた。
しかし、これからは、少なくても日本では、人手不足が恒常化する。ここでは、労働者不足の時代が続くとみ
るべき。これに拍車をかけるのが、労働組合結成の動き。労働組合は労働者が団結して、一体となって経営側と
交渉するのだから、経営側にとっては、いやな存在ともいえる。この動きがコーヒーチェーンの最大手、スター
バックスで生じている。飲食業界は、労働組合結成率の極めて低い業界だが、この動きは重要。中小企業にとっ
て労働組合はもはや無縁の存在ではないことに注意する必要がある。特に従業員 10 人以上の会社は就業規則の義
務もあり、労働組合とは、何かについても理解しておく必要がある。これからの中小企業の経営者にとって、労
働組合問題を全く無視してやっていけないのではないだろうか。