2022/04/05世間の学校
言葉は語る「ワーク・イン・ライフ」
仕事と人生の関係をどう捉えるか。仕事は仕事、人生は人生、と別物と捉え、人生にはおカネが必要であり、
そのおカネを稼ぐ手段として、仕事があるとする考え方がある。この考え方を進めていくと、仕事は仕方なく行
うものとなる。仕事は自由な活動を断念したコトによる対価とみる考えになっていく。しかし、1 日 24 時間のう
ち、睡眠時間を 8 時間として残りの半分が仕事時間だとしたら、これを苦痛と捉えるのではなく、楽しんでやれ
ないだろうか。ワーク・イン・ライフとは、仕事(ワーク)を人生(ライフ)の一部と捉えて雇用者の働き方を
柔軟に選択するという考え方で、働き方改革、働きがい改革の一環として登場してきた考え方である。終身雇
用、年功序列賃金、企業内組合という、日本的雇用の三大特徴は、会社と社員の結びつきが強く、会社と社員の
一体化。悪くいえば、社畜化を意味していた。
しかし、経済環境の変化は、雇用の流動化を促進し、転職が当たり前の時代になり、社会にしばられない生き
方、副業、兼業OKの時代とともに、仕事を生活の一部と捉える考え方は重要だ。毎年、約 1 万人の社員が 4 月
に一斉に転勤する NTT で今年は、それを止めた。望まない転勤、単身赴任の段階的廃止がそれだ。顧客満足度か
ら従業員満足度の時代。人材を材料としてではなく、財産として活用する時代の一つの方向かも知れない。