2021/12/24世間の学校
話題の企業 「日本大学」
日本大学は、生徒数約 7 万人で日本一の学生数を有するマンモス大学。卒業生も約 118 万人と全国的に活躍
している名門大学でもある。政治、経済、文化、芸術、スポーツ、医療等、あらゆる部門で有為な人材を輩出し
ており、日大人脈として有名人に事欠かない。学校法人は、営利を目的としていないため、非営利法人として決
算を行っている。直近の決算書(R2.3.31)によると教育活動収入が約 2,000 億円のうち、学生生徒等納金が
約1,100億、当年度の収支差額が約 56 億と、上場企業のうち日経 225 に入る企業並みの決算状況である。当然
これらには、国などからの多額の寄付金も入っている。学校法人が非営利法人であるからといって、収益活動
(自動販売機、食堂他の物品販売等)ができないわけではないし、多くの学校では、収益事業を行っている。
この場合は、消費税や法人税等の納税義務が生じるので、会計事務所でも関与することは多いと思われる。
問題は、こうした巨大企業並みの学校法人の経営がきちんと行われているかという点。
まさにガバナンスの問題である。
今回の事件は、病院の建設資金に関して、子会社を使った資金の不正還流問題が理事の背任問題に発展した。
日本大学のガバナンスは一体どうなっているのか。理事、理事会、理事長、監事、評議員会等の意思決定の透明
性はどうなっているのか。ガバナンスは、営利企業だけの問題(コーポレート・ガバナンス)ではなく、非営利
法人でも問題になる。特に税金を使う以上、公的資金の使い方としてガバナンスは不可欠であることに注意して
おく必要がある。