2021/12/24世間の学校
人を読む 「真鍋 淑郎(90 歳)」
また一人の名誉ある日本人の誕生。地球温暖化に対する貢献が評価されて 2021 年のノーベル物理学賞を受賞。
現在、プリンストン大学の上級研究員。1931 年に四国の愛媛県に生まれ、東京大学理学部を卒業。1958 年に渡
米し、米気象局に入る。米海洋大気庁(NOAA)、地球流体力学研究所やプリンストン大学の客員教授を歴任。1997
~2001 年に日本の科学技術庁傘下の組織で温暖化予測研究の責任者を勤めるが、2001 年に帰米。米国籍を取得
した日本人は、真鍋氏を含め 23 人。研究者にとって、何より自由な研究を行える環境が求められる。この点、
アメリカとくらべて日本は遅れているようだ。
真鍋氏の言は、「日本に戻りたくない」が受賞後の第一声。この言葉に日本人は、もっと気がつくべきかもしれ
ない。真鍋氏の業績は 40 年以上前の話であり、長い努力が報われたと同時に長く研究をさせてくれたアメリカ
の懐の深さを考えるべきか。日本の研究環境も考えていかないと優秀な日本人がどんどん海外に行ってしまうの
か。この人の場合、「安い日本」の低い給料を嫌ってアメリカに行った訳ではないが、日本の研究環境の悪さが
原因のようだ。あらゆる意味での環境の大切さを教えられた。