2021/11/29世間の学校
言葉は語る「マインドフルネスの活用」
現代社会の特徴の 1 つに複雑、スピード、そして不安。ゆっくり考えたりゆっくり休むことが難しく、絶えず
何かにせきたてられている。一言でいえば「せかされる時代」、「不安の時代」である。このせかされたり、
不安とどう立ち向かっていくのか。今、マインドフルネスが医療の現場のみならず、アップルやグーグルと言
った巨大企業の研修にも採用されている。
マインドフルネスは、もともと仏教用語の「正念」という雑念を取り払う教えに根ざしている。これが、アメ
リカで医療に応用されて、いろいろな領域で活用され普及し、日本に逆輸入された形である。頭で考えずに体
の感覚を重視し、瞑想する。この瞑想を利用したエクササイズは「ありのままの自分を受け入れる」「今この
瞬間に起きている体験を解釈をはさまずに受け入れる」ことにより不安と対峙するのではなく、上手に不安と
同居することを進める。余裕、ゆとり、無関心、思い込まない、いいかげんということも不安の連鎖を断ち切
るためには必要かも知れない。禅、座禅、ヨガといった東洋的発想は遺物排除的な西洋思想とは異なる。ビジ
ネスは利害打算で物事を考えるが、論理、合理性重視の中にあっても異物を取り込み異物と同居する思想も不
可欠な人間の要素かもしれない。