2021/11/10世間の学校

時流を読む「働き方改革」から「働きがい改革」へ

企業の経営資源としてヒト、モノ、カネがあるが、このうち最も重要なものがヒトであることは間違いない。
そのヒトのあり方をめぐって今、問題が発生。発端は、バブル経済崩壊後の日本経済の低迷。ジャパン・アズ
・ナンバーワンといわれた経済大国日本の今は、見る影もなく、もはや先進国と言えない状況。

どうしたら日本経済の復活はなるのか。特に人口減少、少子高齢化時代を迎えて人口増加による経済成長は望
めず、技術進歩による一人当たりの生産性を上げるしか方法はない。ヒトの生産性アップのために様々な働き
改革が行われてきた。しかし、いくら働き方の改革をしても、やる気が出て生産性向上に繋がるモノではない。

そこで、その先に「働きがい改革」が求められるようになってきた。「働きがい」を意味するエンゲージメン
トを重視する企業が増え始めた。背景にあるのは従来型の「やる気のなさ」「無気力」「惰性」を何とか回避
して「やる気」を取り戻すこと。長時間労働の是正、有給休暇の取得増加等を進めるやり方が「働き方改革」
と言われて久しい。しかし、その結果、経営効率を求めるために双方向のコミュニケーションが減り「ギスギ
スした職場」から「やる気」を失い始めたところにある。

しかし「エンゲージメントなくして企業成長なし」に気づいた企業はエンゲージメント対策として ①職務へ
のやりがい ②自己成長 ③会社のビジョンや理念への共感・信頼 ④挑戦、協力等 の組織に活力を与える組織
風土を重視しはじめた。ポイントはいかに「働きがい」を高め、従来の「やる気」を引き出すか。中小企業に
おいては、大企業等以上に求められるはず。組織は小さければ小さい程、まとまりが求められるからでもあ
る。働きがいを与えられない企業の先行きは暗い。