2021/09/27世間の学校
話題の企業「ユーハイム」
バウムクーヘン(ドイツ語でバウムは木、クーヘンはケーキで、木のケーキ)といえば、「ユーハイム」と言
われるほど有名だが、今、バウムクーヘン業界では、たねやグループの「クラブ・ハリエ」、東京ばな奈の「ね
んりん家」との競争激化が激しい。しかし、ユーハイムには、その独特の歴史と哲学がある。非上場のため、正
確な財務データはわからないが、年商 300 億超、従業員も 500 人超の神戸本社の老舗洋菓子店。
この会社の始まりは、ドイツのアジア侵略の 1 つとして中国青島にカール・ユーハイムが菓子店を営んでいた
ことにある。第一次大戦で日本は戦勝国としてドイツ人の捕虜を日本に連行。その中にこのカール・ユーハイム
がいた。ドイツ人を捕虜にしたとはいえ、明治維新の時にドイツに学び、多くのドイツ留学生もいたことを忘れ
てはいない日本人。広島の捕虜収容所で学問、技術等の先輩であるドイツ人から日本人は多くの事を学ぶ。その
ひとつがドイツ菓子のバウムクーヘン。
ドイツ菓子にはフランス菓子と異なり、家庭料理の延長線上で食事を考え、日常のカフェのひとときに楽しむ
菓子として自然のものを美味しく食べる特徴がある。この「純正自然」こそがユーハイムの特徴で添加物の使用
を一切使わないで今日まできている。1919 年創業というから、100 年以上続いていることになる。和菓子の日本
の虎屋に近い存在になっているのかもしれない。それにしても捕虜から学ぶ日本の先人達には驚かされる。