2021/09/27世間の学校
言葉は語る「減資企業」
資本金を増やすのが増資、逆に資本金を減らすのが減資。資本金は株主の地位に相当するものであるが、会社
にとっては返済する必要のない資金のため、安心して事業資金に使える。これに対して銀行借入であれば、期日
には必ず返済しなければならない負債となるため、その使い道が有効なもので利益を生むものでなければならな
い。その意味で資本金を増やして資金調達を行う増資は会社の重要な資金調達戦略となる。
ところが、最近、上場企業の中で資本金を減らす減資企業が増えているという。どうしてなのだろうか。企業
を縮小しようというのか。答えは「税制」にある。資本金を 1 億円以下にすることで大きな税制上のメリットが
あるからである。①繰越欠損金の控除が所得の半分から全額控除へ ②外形標準課税の対象外となる点等がある。
しかも減資といっても株主に資金を返す有償減資ではなく無償減資なので、会社の純資産は変わらないので財務
比率に与える影響はあまりないとも云われている。
中小企業においても資本金による税制上の違いには注意しておく必要がありそうだ。