2021/02/25世間の学校
話題の企業「ベイシアグループ」
逆風下にある小売業にあって快進撃を続ける企業グループがある。1958 年に群馬県伊勢崎市に服地屋「いせや」の創業に始まり、創業者(土屋嘉雄)一代で 2020 年 11 月にとうとうグループ売上 1 兆円を達したベイシアグループ。
スタートの「服地屋」から群馬県で衣食住を扱う大型の GMS(大型スーパー)となっていくが、1979 年の大規模小売店舗法(大店法)で 500 平方メートル以上の小売店出店規制を捉えて、分社化経営をし、扱う商品ごとに専門店化。作業服の「ワークマン」、コンビニの「セーブオン」、家電の「ベイシア電器」、カー用品の「オートアールズ」、ホームセンターの「カインズ」。分社化による効率経営で巨大な小売業はどうして誕生したのか。
しかも、非上場で(ワークマンのみ上場)。「いせやイズム」という、「より良いものを安く売る」ことを経営理念とし、返品、値引きなしの取引や現金決済などの仕組みを 1980 年代に確立し、いたずらに規模の拡大を求めず「原理原則の徹底追求」で実現。決して薄利多売ではなく NB(ナショナルブランド)から PB(プライベートブランド)への転換。EC(ネット通販)の対応等、あせらず、あわてず、欲張らずの愚直なまでの堅実経営の継続が今日のベイシアグループの成長をもたらした。「より良いものをより安く」というテーマを貫くことは普遍的な原理かもしれない。