2021/01/28世間の学校
人を読む「西内 啓(にしうち ひろむ)」
大ベストセラーとなった「統計学が最強の学問である」の著者でもある、1981 年生まれで神戸市出身の統
計専門家。東京大学医学部卒(生物統計学専攻)。経営に携わる人々にとって数字は不可欠。しかし、統計学
となると尻込みしがち。しかし、そんな統計学を身近な学問として普及させた功績は大きい。
この本は、シリーズ累計 40 万部を超え、硬派の本としては、異例。「ビッグデータ」や、「データサイエン
ティスト」が大流行の今日。統計学を最強の学問にした第一人者ともいえる。医学の世界においては、医師
と患者という 1 対 1 の関係で論じられることが多いが、感染症の世界では多数の命をどう救うかがポイント。
新型コロナにおいては全てのデータが統計学手法によって解析されている。考えてみれば、世の中のデータ
は殆ど統計学のたまもの。統計学を知らずして世の中のことを語るなかれといわれるゆえんでもある。ハー
バード大学のメディカルスクールで、使われている教科書の冒頭には、こんなことが書いてあるという。
「1930年、H.G.ウエルズ(サイエンスフィクション[SF]の第一人者で、タイムマシンや透明人間などで有名)は、
将来、統計学的思考が読み書きと同じように、よき社会人として必須の能力になる日が来る」と予言した。
これからの時代、エビデンスに基づく判断として統計データの利用は不可欠。西内先生の本はもはや手放せ
ない。