決算診断は最大のビジネスチャンス! 税理士・会計事務所のための決算診断システム「社長の四季」

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尾藤会計事務所が目指す「サービス業」としての会計事務所

税理士法人尾藤会計事務所  所長 税理士 尾藤文隆
                  副所長 税理士 尾藤清隆

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税理士法人尾藤会計事務所(東京都新宿区)は、一部上場企業に長年勤めた所長の尾藤文隆氏(写真右)が掲げる、「先生稼業ではなくサービス業」というスタンスを開業当初から実践し続けている。その経歴を活かし、特に医業や相続対策に強みを持つ同事務所は、㈱プロスの決算診断システム「社長の四季」を活用して「顧問先企業が存続できること」を第一に考えたサービスを提供している。尾藤文隆氏と副所長の尾藤清隆氏(写真左)に、具体的な取り組みや他の事務所との差別化戦略などについてお話しいただいた。


創業当初から「サービス業」精神を実践
―― 以前の取材(2006年10月号)でもお聞きしましたが、所長の文隆先生に、税理士法人尾藤会計事務所の沿革を伺います。
所長 当事務所の開業は1979年4月です。私はそれ以前、一部上場メーカーの経理部に十数年勤めていましたが、自分自身への挑戦という軽い気持ちから税理士試験を受けたところ、たまたま合格しました。
 普通はいくつかの会計事務所で経験を積むのでしょうが、その時既に30代半ばということもあり、尾藤税務会計事務所を開業しました。
 文字通りゼロからのスタートでしたが、当初から「先生稼業ではなくサービス業である」というスタンスでやってきました。また、「顧問先の会社が継続していける体質を作ることがもっとも重要」という考えを基本に据えています。
 その後、会計事務所は家業的であり、人も集まりにくいことから、記帳代行会社なども立ち上げました。
 そして、2005年6月に税理士法人化し、現在に至っています。税理士法人にしたことで、会計法人と税理士という2つの事業体があって分かりにくかった部分がすっきりし、お客さまにも説明しやすくなりました。
―― 後継者としては、副所長の清隆先生がいらっしゃいますね。
副所長 私が入所したのは2000年です。税理士法人化と同に、副所長を務めています。事業承継という観点からも、法人化のメリットを感じています。
  

経営者に分かりやすい点数方式の決算診断
―― ㈱プロスの決算診断システム「社長の四季」を導入された経緯をお聞かせください。
副所長 私が社長の四季を初めて知ったのは、入所して間もないころ、プロス代表である浅沼先生の事務所見学会に参加した時です。所長もずっと以前に浅沼先生の事務所見学に行き、「すごい事務所」だと感心したという話は聞いていました。
 あらためて社長の四季の存在を認識したのは税理士登録をしたころで、水戸の増山先生の事務所見学会に参加した時でした。
 その後、プロスが主催しているシンクタンク藤原事務所の藤原直哉先生のリーダーシップ研修会「藤原塾」などに参加するうちに、導入しようと考えるようになりました。
―― 導入を決断された最大のポイントは何でしょうか。
副所長 ひとつは決算の時に、決算書と内訳書、エクセルの資料だけでは物足りないと感じていたことがあります。
 もうひとつは、社長の四季のボリュームの多さです。50~60ページの資料が簡単に作れるので、お客さまに決算を理解していただくために最適ではないかと考えました。
 しかし最大のポイントは、なんといっても分かりやすさです。決算書は、簿記の仕組みを理解していないと、いくら説明しても分かりにくいものです。それを、ズバリ「何点です」と点数で示せることから、導入を決めました。
―― 中小企業の経営者にとって、決算の内容や評価が分かりやすい点に着目されたわけですね。
副所長 はい。一時期、決算の内容をスコアリングでランク付けすることが流行りましたが、ランク付けよりも点数のほうが受け入れやすいようです。
―― 実際に、決算診断書を見た時のお客さまの反応はいかがでしたか。
副所長  「素晴らしい」と言ってくださる社長さんがいる一方で、あまり反応がない場合もあります。しかし、前者のように、「響く」お客さまには、「来期はここの数字を上げていこう」といったかたちで活用していただいています。
 また、先日税務調査を受けたあるお客さまの例ですが、税務調査のために用意したさまざまな資料のなかに、社長の四季のファイリングが一式揃えられていたのには驚きました。そのお客さまにとっては、決算診断提案書も決算書書類のひとつとして認識して頂いていたのです。それだけ高く評価してくださっているということでしょうか。

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経営計画につなげるツールとしても使える
―― 社長の四季を活用することで、お客さまとの良好なコミュニケーションも生まれるのではありませんか。
副所長 そうですね。例えば、決算診断書があると、決算説明にそれなりの時間がかけられます。
 決算書内訳と申告書の説明は、おそらくお客さまもやや退屈ではないかと思います。決算書というものは、決算対策をきちんとしていれば、このくらいになるだろうと予想できるからです。
 しかし、決算診断書があれば、点数、6要素分析、来期の数字の設定目標、課題など、お話しすることはいくらでもあります。ですから、ちゃんと活用すれば大変役立つツールになると思います。
―― 決算の分析だけでなく、そこから来期に向けての展望も示されているわけですね。
副所長  そうですね。それをきっかけに、経営計画などにつなげていければ理想的でしょう。
 ただ、予算については社長ひとりでも作れますが、経営計画は社長ひとりで作ってもあまり意味がないと思います。幹部も巻き込んで、「こういうビジョンでやろう」というかたちに持っていくのが一番だと思います。
 また、予算も作っていないお客さまの場合、経営計画のきっかけを作るのが難しいと感じています。しかし、これだけ厳しい環境ですから、そこはやらなければなりません。将来のビジョンがなければ、ジリ貧になっていくのは目に見えていますから。


ノウハウを共有できる決算診断実践会
―― 社長の四季のユーザーが集まって、自らの経験やノウハウを公開する決算診断実践会には参加されていますか。
副所長 はい。毎年1回開催されている全国大会では、全国各地の先生方のなかから選ばれた2~3名が、社長の四季の有効活用事例を発表します。それを聴いて、「こういう使い方をしているのだな」とか、「ここまで徹底しているんだな」というように、非常に参考にしています。年に1回これらの話を聞くと、常に「明日からやろう」という気になります。
―― ノウハウの共有という意味では、決算診断実践会で皆さんが持ち寄った事例が公開されるのは大事ですね。
副所長 そうですね。十分刺激になります。


他事務所との差別化ツールとしても活用
―― 尾藤会計事務所では、どれくらいのお客さまに決算診断を実践していますか。
副所長  特に集計はしていませんが、主要なお客さまにはすべて提供しています。
 最近、社会保険労務士の先生と合同でお客さま向けの勉強会を開催しました。その勉強会での話ですが、現在、社会保険労務士の先生方は、労働問題で裁判になるようなケースが多いそうです。その決定的な要因は何かというと、インターネットだそうです。
 例えば、10年前までは、労働トラブルを抱え、会社を辞めようとしている人は、よほど調べないかぎり会社を訴えるために必要な情報や解決策は入手できませんでした。それが、現在はインターネットで調べれば、それらの情報が簡単に得られます。そういうバックグラウンドがあって、労働問題が増えているのだそうです。
 インターネットの普及は、私たち会計業界にも多くの影響を与えていると思います。そのひとつに、インターネットによるセカンドオピニオン化現象が挙げられます。
 特に、税務については完全にそうではないかと思います。特殊な税務は別として、普通の中小企業レベルであれば、特殊な問題はそう多くありません。ですから、「この先生はこう言っているけど、どうなのかな」とネットで調べると、たいていは情報が出てくるわけです。そのため、税務については付加価値を付けにくくなっています。
 これに対して、決算書は決算診断などを行うことによって、まだまだ十分付加価値をつけることが可能だと思っております。というのは、税務についてインターネットで調べるように、自社の決算分析をインターネットで調べ、なおかつその結果を自社の財務諸表と比較して評価を行うことはなかなかできないと思うからです。
 その意味で、社長の四季をしっかり活用すれば、会計事務所の立派な決算ツールとなり、会計事務所の信頼性もアップさせることが可能です。ただし、しっかり活用すればということが大前提となります。当然の話ですが、社長の四季は税務申告上一切必要のない資料ですので、忙しさにかまけ、ついつい社長の四季の作成を後回しにしてしまうことがあります。まずは、「決算申告時に決算診断」という当たり前のことを当たり前にやる、ということの繰り返しが会計事務所の付加価値増大に寄与するものと思っています。
 経済環境が厳しくなってくると、お客さまがいろいろな情報を入手して会計事務所を選別するようになります。そうすると、選ばれる事務所になるにはどうすべきかが、極めて重要になります。
 決算を、単に税務署への申告用の書類作成だと考えていては差別化はできません。例えば、お客さまにいろいろなことを伝えたり、お客さまの意識を変えたり、お客さまとの有効なコミュニケーションの場だったりと、決算はさまざまな目的に使えます。それを活用しない手はありません。
―― そこまで踏み込めるかどうかが、大きな分かれ道となりますね。
副所長 ポイントは、その付加価値を作るのに、手間をかけずにすむかどうかです。その点、社長の四季のシステム化されたところは強みになるでしょうね。
―― 優れたツールを導入して有効活用していくことが、これからますます重要になりますね。
副所長 そうですね。それともうひとつは、決算診断の先も視野に入れる必要もあります。
―― 先ほど経営計画というお話もありましたが、具体的にはどういうことをお考えですか。
副所長まず取り組まなければならないのは、予算を作るお客さまを増やすことです。やはり、自分で決めた目標がなければ、会社はそれ以上に成長しません。ですから、まず目標を設定するように、こちらからどのように働きかけるかを工夫する必要があるでしょう。
 そして、予算が作れるようになったら、それを具現化する意味で経営計画を作成します。これもシステム化して、比較的手軽に作れるようになると、こちらの負担が軽くなり、お客さまにとっても有益な情報になると思います。
 そのためには、社長と幹部の意識を変えていく取り組みをしていかなければならないと考えています。

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新規開拓の営業ツールなど多種多様な使い道も
―― 文隆先生は、社長の四季をどう評価されていますか。
所長 やはり、普通の決算書だけでは分かりにくいので、経営者に数字に馴染んでもらうための手段として価値があると思います。
副所長 付け加えると、社長の四季は新規営業のツールとしても使えます。営業の際に、「うちはこういう試算表を出します」「こういう解説をします」「こういう方針でやります」「決算ではこうします」といったことは、どの先生も話すでしょう。それにプラスして、50~60ページの決算診断書のサンプルを提供するわけです。すると、それに反応したお客さまはたいてい契約にまで進みます。
―― 現在は、お客さまが複数の事務所から提案をもらい、そのなかから選ぶコンペのようなかたちが増えていますね。
副所長 おっしゃるとおりです。去年、当事務所では法人のお客さまを数十社拡大していますが、コンペではなかったケースは1~2割です。
―― 具体的に、どのような拡大戦略をとられていますか。
所長 戦略というほどではありませんが、ひとつは医業です。医業・介護系は、まだ業界として伸びます。そこに参入して、1年間で12~13件の新規顧客を獲得しています。
 あとは一般法人です。これも1年間でだいたい12~13件ですから、年間25件程度を目標としています。
―― 業種に特化したり、決算診断を活用したりして、他の事務所との差別化を図っていくことで、お客さまにアピールしていくわけですね。
所長 そうですね。もうひとつは、事業承継でしょう。一定以上の規模の会社は、どこも事業承継の問題がありますから、そのあたりをしっかり説明できるようにして、新規開拓できればと思っています。

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M&Aによる成長戦略
―― 最後に、尾藤会計事務所の中期的な成長戦略をお聞かせください。
所長 成長戦略の大きな柱のひとつと考えているのはM&Aです。具体的には、当事務所と同じくらいの規模のところを考えています。
―― これからの事務所経営に、規模拡大は欠かせないということですね。
副所長  数年前、私と所長で実務経営サービス主催の勉強会に出席させて頂きました。そのセミナーの講師である鈴木丈織先生のお言葉で、「自分自身の会計事務所が飛躍していないのに、お客様の飛躍のお手伝いができるのか?」という問いかけがございました。
 大げさに考えれば、「自社の飛躍なしには、お客様の飛躍のお手伝いはできない」ということです。その時より、会計事務所の飛躍について真剣に考えるようになりました。そして、会計事務所の飛躍のひとつに、よいお客様と数多くお付き合することによって、事務所全体の経験値を高めることが必要だと思うようになりました。会計事務所経営において、お客様を増やし続ける必要があるかどうかはいろいろな考えがあるとは思いますが、私どもでは中期的な目標としては現状の倍規模を目指して頑張っていきたいと思います。その目標達成のひとつの手段として、M&A戦略についても積極的に考え
ていきたいと思います。
―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。尾藤会計事務所のますますのご発展を祈念しています。