決算診断は最大のビジネスチャンス! 税理士・会計事務所のための決算診断システム「社長の四季」
税理士法人ヤマダ会計
会長社員 税理士・行政書士 山田勝一
代表社員 税理士 山田義之
TAX部 チーフリーダー 神谷貴人
ヤマダ会計グループ(静岡県浜松市)は、中小企業体質改善プログラムや中小建設業再生プログラムなどで顧問先の経営支援に取り組んでおり、これらのプログラムに㈱プロスの決算診断システム「社長の四季」や事業計画システム「経営コーチ」を活用している。ヤマダ会計グループの中核である税理士法人ヤマダ会計会長社員の山田勝一氏(写真中央)、代表社員の山田義之氏(同右)、TAX 部チーフリーダーの神谷貴人氏(同左)に、同グループの顧客支援の詳細についてお話しいただいた。
目標管理と管理会計が原点
―― はじめに、税理士法人ヤマダ会計の会長社員である山田勝一先生に、ヤマダ会計グループの沿革を伺います。
山田先生は、一般企業での勤務経験を経て開業されたそうですね。
会長 まず建設業に入り、その後自動車部品メーカーに移りました。そのころ夜学にも通っていて、そこで税理士という国家資格があることを知り、この道に進むことを決意しました。
私は税理士を目指すにあたって、経営コンサルティング、中でも管理会計をやりたいという思いが原点としてありました。自動車部品メーカーでは、生産管理や工程管理といった業務に携わっていたので、それなりのキャリアも持っていました。
―― 最初から管理会計の分野で企業を支援していこうというお考えだったのでしょうか。
会長 そうですね。私が開業した40年前は、管理会計自体がそれほど定着していませんでしたが、そこに目を向けていこうということでスタートしました。
具体的には、売り上げや仕入れの数量、単価、金額などを集計したり、さらに経費の部分まで踏み込んで、何がもうかって何がもうからなかったのか、その原因を分析したりしました。
―― 当時としては画期的な取り組みですね。
会長 実際に、お客さまからは「そこまでやるのか」と驚かれました。
そのころの会計事務所はお客さまに事務所まで足を運んでいただくのが普通でしたが、私たちはお客さまの会社を訪問して、社長さんが現場に出掛けている間の留守番もしますと申し出ました。さらに、会計だけでなく総務の仕事も受け持ち、先ほど申し上げた原因分析などをおこないました。
―― 「中小企業は目標管理と管理会計なくして生き続けられない」という理念に基づいて、事務所を先導してこられたわけですね。現在の顧問先の数はどれくらいでしょうか。
会長 法人が約140、法人と個人の合計で二百数十程度です。正直なところ多いとはいえませんが、単に数を増やすよりも、それぞれの付加価値を高めることを重視したからです。付加価値の部分が評価されれば、顧問料もそれなりにいただけます。
―― ご子息の義之先生も同じ道を歩まれ、現在は代表社員に就任されています。
代表 私は会計事務所に勤めて11年になりますが、この職業は顧問先の社長さんからの信頼がなければ成り立たないと強く実感しています。同時に、そこがもっともやりがいのあるところだとも思います。
社長さんから信頼され、あらゆる相談にお応えできる会計事務所であり続けるために、ヤマダ会計では「目標管理と管理会計」に加え、「ワンストップサービス会計事務所」を目指しています。
決算を可視化する「社長の四季」
―― ヤマダ会計では、長年にわたって㈱プロスの決算診断システム「社長の四季」を活用されていますね。
会長 私がプロスの代表である浅沼先生と出会ったのは、京都で開かれた㈱日本エル・シー・エーの勉強会です。その後、浅沼先生が浜松までいらして、日本エル・シー・エーのメンバーの会計事務所に社長の四季を紹介してくれたのです。ですから、日本エル・シー・エーが結んだご縁といえます。
―― 初めて決算診断システムをご覧になった時の印象はいかがでしたか。
会長 もともと私は、手作りでグラフを描いたりしていましたが、それがコンピューターでできるということに驚き、早速導入しました。
1995年11月に導入し、最初の2年間は、顧問先の法人企業すべてに決算診断を実施しました。3年目以降は、継続したいという要望のあったところだけに実施しています。
神谷 現在、すべての法人の決算診断はデータとして入っています。決算書の報告の際に、添付資料のひとつとしてお渡ししています。
―― TAX部チーフリーダーの神谷さんは、経営計画策定支援担当だそうですが、すべての法人のデータを扱うのは大変ではありませんか。
神谷 社内である程度マニュアル化し、入力、出力、分析のそれぞれを分業化していますから、労力はだいぶ軽減されていると思います。
―― 入力作業が標準化されて、マニュアルがあれば簡便におこなえるようになっているわけですね。
神谷 そうですね。決算を組む業務自体は、Excelとマクロフォームを使って決算調書が作れるシステムができています。そのなかで、決算の内訳資料を作成したり、決算監査業務で入力すべきデータの元資料を確認したりすることができるようになっていて、入力担当者に用紙を回せば、それを見ながら入力するだけで完成します。
―― そして、顧客に決算書を持っていった時に、決算診断の内容を説明するのですね。
神谷 はい。決算診断は単純な数字の羅列ではないので、社長さんにとって非常に分かりやすいかたちで伝えることができます。そういう意味では、大変優れたツールだと思います。
決算診断を活用した中小企業体質改善プログラム
―― 具体的に、社長の四季のどのような機能を使っているか教えていただけますか。
会長 導入してから15年経ちますが、当初はプロスからさまざまな資料をもらって、報告の際にどこにポイントを置くかといったことなど、事務所のなかでかなり勉強しました。
現在は、このシステムを経営支援にどう役立てていくかという段階に入っています。例えば、「経常利益がこのくらい欲しければ、これだけの売り上げが必要」といったシミュレーション機能は欠かせません。
また、現状のままだと3年後あるいは5年後にどうなるかを示すことで、危機管理や業績改善につなげていくことができます。改善のためには、数値目標を持って経営しなければならないというところへ導いていくわけです。
業績改善や危機管理にまで踏み込む場合は、経営計画の作成やビジョンの明確化というようにプロセスを進めていきます。
もちろん、そこまでいかないケースもありますから、常にフルセットの機能を利用しているわけではなく、必要に応じて機能を使い分けています。
―― 中小企業の体質改善プログラムに、プロスのツールを活用しているわけですね。
神谷 一番のポイントは、社長さんにヒアリングしながら、一緒に経営計画を作り上げていくところだと思います。特に、現在は事業計画システム「経営コーチ」も導入し、社長さんに事務所までお越しいただいて、プロジェクターで資料を見ていただきながら一緒に計画を作り上げていきます。そうしてできあがった計画にはそれなりの思い入れが生まれるようで、その後も「あれはどうなった」と聞かれます。
会長 プロジェクターを使っているのは、少しでも社長の関心を引くためです。紙に出力したもので報告すると、どうしても眠くなってしまうようなので、プロジェクターを使い、動きをシミュレーションしながら説明しています。そうすると、けっこう関心を持ってもらえます。
ここで重要なのは、決算診断とマネージメント・パワー、そして事業計画システム経営コーチをミックスして、プロジェクターでプレゼンテーションしていることです。単に決算診断や指導ができるだけでは、十分とはいえません。それを上手にプレゼンテーションしなければ、お客さまをその気にさせることはできません。その点、神谷はコンピューターを使ってデータを作ったり、説明や報告をしたりするのが大変上手です。
―― プレゼンテーションでは、お客さまにどのようにして気持ちを伝えるかが重要ですからね。
神谷 そのあたりは、大学院で受けたビジネスプレゼンテーションなどの授業が役に立っているのではないかと思います。
社長を「気づき」に導くマネージメント・パワー
―― 社長の経営力を診断する「マネージメント・パワー」は、どのように活用されていますか。
神谷 基本的には、決算診断の導入のきっかけとして、社長の自己診断に利用しています。
中小企業の場合、現場からたたき上げた社長さんが多いので、マネージメント・パワーで診断すると、どうしても管理面や数字面の項目はマイナス評価になりがちです。そういうところを私たちがフォローして、一緒に計画を作り上げていきましょうという流れになります。
―― マネージメント・パワーを使うことで、社長自身に気づきがもたらされるのでしょうね。
神谷 例えば、グラフで1カ所へこんでいるところがあったとして、そこに気づくと、「なぜここはへこんでいるのか」という話になります。そこで、先ほど申し上げた数値や管理能力など、力を入れるべき部分をグラフィカルなかたちで見せると、すんなり理解してもらえます。
―― 新規の顧客から、「こういうかたちで決算を評価されたことはない」と好評だという話は、多くの先生から聞きます。
会長 もちろん私たちも、お客さまに決算書の読み方や活かし方を伝授するためにプロスのツールを使っていた時期はありますが、先ほど申し上げたとおり、現在では決算診断は経営において必要不可欠なもの、すなわちこれらのツールを活用して企業の経営や体質を改善していこうというスタンスです。
決算診断やマネージメント・パワーの結果を、お客さまに見せるだけではつまらない。もっと積極的に、経営改善や経営者の能力を変えていくために利用するべきです。そういう使い方をすることで、プロスのツールをさらに活かすことができます。
銀行を納得させる経営計画が作れる
―― 単に税務の申告をするのではなく、経営そのものを変える提案をしてくれるのですから、経営者に喜ばれるでしょうね。
会長 私たちは、経営計画を作る時に銀行にも同席して頂くことがあります。そして、例えば5年間の計画を見せて、これで資金を融資してもらえるかどうか意見を聞き、修正しながら計画を煮詰めていくのです。このように、銀行も入って経営計画を作るのは、珍しい事ではないでしょうか。
―― それはすごいですね。
会長 銀行も、それだけ真剣ということです。どうすれば企業がうまく生き返って、提供したお金がうまく活用されるかは重要ですから。
私たちとしても、こういう方向に進んでいけば、新たな付加価値が生まれます。銀行に評価してもらうのは、私たちとしては大きな強みになります。
神谷 先日、事業計画システム経営コーチを使って作った経営計画のプレゼンテーション資料を銀行に提出したところ、支店長から絶賛されたそうです。担当者から、「本当に喜んでくれたのでよかった」という声を聞きました。
―― まさに、山田会長が40年前からおっしゃっていた「目標管理と管理会計」につながりますね。
会長 40年前と違うのは、今日では新しいことにチャレンジしていかなければならないということです。40年前のように、親会社から降りてくる下請けの仕事だけこなしていれば利益が出るという時代ではありません。将来の成長性を考えた場合、既存の製品の改良は当然として、新しいものも出していく必要があります。そのためには、投入できる人や資金が限られているとしても、研究開発にも力を入れていかねばなりません。このように、現状に合わせた目標設定が求められますから、それを柔軟に経営計画に取り入れていくノウハウを作り上げる必要があります。
経営シミュレーション講座も開催
―― 経営総合コンサルタント会社である㈱タナベ経営とのジョイント活動もされているそうですね。
会長 グループ会社の㈱ワイビーエム経営研究所で、タナベ経営さんとタイアップして経営塾を何回か開催しています。そのなかで、私たちが担当する講座は、事業計画システム経営コーチによる経営シミュレーションです。決算診断あるいはマネージメント・パワーで情報を入れて、事業計画システム経営コーチで仕上げていくというものです。
タナベ経営さんが受け持つ3つの講座も、私たちの要望で、目標管理と管理会計の観点に基づく内容となっています。
新公会計、事業承継、経営計画策定支援を柱に
―― この厳しい環境はまだ続きそうですが、ヤマダ会計グループの今後の展望をお聞かせください。
会長 私たちは管理会計中心でやってきましたから、税務の監査も徹底的におこなってきました。法人だけでなく、社長さんの家族についても決算をして、かつては税務調査が入っても100パーセント是認でした。
そして、日本エル・シー・エーとの出会いから、本格的に経営コンサルタントとしての道を歩み始め、同社からいろいろ学びながら、経営計画作りや社員教育、経営者教育を取り入れてきました。
一方、税務については、こちらがいくら努力しても及ばない部分が出てきます。そこで、新たな顧客層の開拓を進めています。具体的には、経営管理のできるような、ある程度の規模のところをターゲットにするというものです。
そのなかで、これからグループの事業の柱となるものは3つあると考えています。まず、大きな柱となるのが地方自治体の新公会計導入支援で、これについてはすでに2〜3件手がけています。
もうひとつは、事業承継です。
そして、最後が経営計画策定サービスです。これは、決算診断をおこなって、決算書から課題やテーマを抽出するだけでは不十分です。どれだけ現場が見えるか、そして経営が見えるかが鍵となります。問題の根源は現場にあります。機械の稼働率や社員の生産性といったものが見えていないと、経営計画と実績の間にギャップが生じてしまいます。
これら三本柱のベースとなるものは既にありますが、それをさらに大きく育てていかなければなりません。
―― 会計事務所自体が成長することで、お客さまに対する説得力も増しますね。
会長 逆にいえば、お客さまの成長が会計事務所の発展にもつながります。今日では、けっこう規模の大きいところも資金繰りで苦しんでいたりします。ですから、ヤマダ会計の発展のためにも、経営計画策定支援や経営改善に向けたお手伝いに真剣に取り組まなければなりません。
―― それによって、お客さまの評価と信頼関係が継続し、新たなお客さまの紹介にもつながりますね。
会長 もちろん、できることとできないことはあります。例えば、タナベ経営さんがやられているような経営コンサルティングは、私たち単独ではできません。ですから、企業会計という領域において、管理会計でどこまで支援していけるかになるのではないでしょうか。
経営改善の鍵は現場にあり
―― 最後になりますが、弊誌の読者である会計事務所の先生方にメッセージをお願いします。
会長 何を会計事務所の役割とみなすかは人それぞれだと思いますが、私たちの原点は、どこに問題があるかを突き止め、それを徹底的に改善していかなければ企業の未来はないということです。したがってヤマダ会計は、問題は現場にあるのだから、現場のことが分かり、現場を指導できるような会計事務所であるべきだと考えています。私は現場での経験を経てこの世界に入ったので、特にその思いが強いのかもしれません。
―― 40年の歴史のなかで培われたお言葉なので大変説得力があります。
会長 プロスの「社長の四季」をはじめ、便利なツールは数多くありますが、肝心なのはそれをどう使いこなすかでしょう。コンピューターから出力されたものを提示して、あとは社長さん任せというのではもったいないと思います。それをうまくアレンジしたり工夫したりして、経営に活かす使い方をしていかないと、会計事務所の明日はないのでないでしょうか。
―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。ヤマダ会計グループのますますの発展に期待しています。
(実務経営ニュース Vol.132より)
All Rights Reserved by 株式会社プロス 〒326-0808 栃木県足利市本城2-1901-10
TEL:0284-41-1382 FAX:0284-41-0193