決算診断は最大のビジネスチャンス! 税理士・会計事務所のための決算診断システム「社長の四季」

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総合サポートにより顧客企業に安心と希望を提供  石川経営会計グループの取り組みを探る

石川経営会計グループ
代表 税理士・行政書士・社会保険労務士・中小企業診断士
石川 光男氏
専務 経営コーチ  水谷 誠氏

石川経営会計グループ(愛知県名古屋市)は、顧客企業の税務・会計から経営、法務、労務、行政、リスク管理に至る総合的な業務サポートをワンストップで提供している。同グループは、こうした顧客支援業務に㈱プロスの決算診断システム「社長の四季」や、経営者をサポートする「経営コーチ」を活用しており、さらに職員のコミュニケーション能力向上のためのツールとしても役立てている。石川経営会計グループの代表である石川光男氏(前ページ写真右)と専務の水谷誠氏(同左)に、グループの経営理念、顧客支援の具体的な取り組み、今後の成長戦略などについて伺った。
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「顧客本位」と「実践」が原点
―― はじめに代表の石川先生に、石川経営会計グループの沿革をお伺いします。
石川 私は昭和48年に税理士資格を取得し、会計事務所勤務を経て、昭和50年6月1日に開業しました。今年で35年目を迎えますが、この道一筋、脇目もふらずに歩んできました。その一番大きな理由は、なによりもお客さまが自分たちを必要としてくれたからです。自分の話すことを社長さんがこれほど真剣に聞いてくれる、やりがいのある仕事はほかにありません。
 当時は税金の計算が主で、税務調査も数年に1回あったので、それなりにニーズが高かったとはいえ、この思いは実際に税理士として仕事を始めてから、ますます強くなりました。
 特に、開業してから10年はあっという間でした。とにかく、昼間はお客さまのあいだを駆け回るのがおもしろくて、時間が惜しいので開業前に始めたゴルフもしばらく封印したくらいです。
―― そのなかから、現在のグループとしての経営理念も生まれたのでしょうか。
石川 最初は、なんとかお客さまのお役に立ちたいという一心で動いていたので、はっきりした理念にもとづいていたわけではありませんでした。
 お客さまである社長は、税務や会計以外のさまざまなことを聞いてきます。会計事務所がお客さまをお手伝いする黒子としての役割を務めるには、税務だけでは不十分で、社会保険や行政手続き、経営といった領域もカバーしなければなりませんでした。例えば建設業を理解するために、実際に建設現場で土木作業をしたこともあります。
―― それはすごいですね。
石川 そうしないと社長が納得しなかったからです。「帳面上と現場は違う」と言い張るので、「では実際にやらせてください」となったわけです。
―― そうして実践してきたことが、経営理念として結実したわけですね。
石川 私には、「口よりもまず手を動かせ」とか、「俺の背中を見て育て」といった昔気質なところがあるようです。そのため、ふだん職員に理念などを話すこともありませんでした。それが変わったのは、同席している水谷が入所してからです。

国家公務員、会社オーナーを経て会計業界へ
―― 副所長の水谷専務は、ユニークな経歴をお持ちだそうですね。
水谷 最初は国家公務員として、運輸省(現国土交通省)港湾局計画課に勤めました。その後、静岡県清水市(現静岡市)の漁業関連会社のオーナーを経て、昭和62年12月に入所した時は32歳でした。この歳で何ができるかを考え、この業界なら自分の経験を活かせると思ったのです。役人の気持ちも経営者の苦労も、ある程度分かりますから。
 この業界に入ってまず驚いたのは、お客さまを「関与先」「クライアント」と呼ぶことでした。これはおかしいのではないかと思い、そういう呼び方をやめて、すべて「お客さま」にしましょうと所長に提案したのが昭和63年ごろです。
 当グループの「人にぬくもり・経営に安心と希望を!」という理念は、平成2年ごろに当時のスタッフ全員で考えたものです。言葉だけでなく、ロゴや色も含めてとことん議論したうえで決めました。これは、人が増えるにつれてトップの意思が伝わりにくくなるため、全員が目指すべき目標を明確に示す必要があると考えたからです。
 この経営理念を実践するために重要なのが情報です。お客さまよりも一歩進んだところからアドバイスするには、たくさんの情報を集め、そのなかから有用なものを吟味して発信していかなければなりません。その情報を得るために、所長と同じように自分の担当するお客さまの現場まで行き、仕事を実地に教わったりもしました。このあたりは、まさに所長の「背中を見て」学んだことのひとつです。
石川 逆に、彼からは理念やプロセス管理の大切さを学びました。理念を明確な言葉として表すこと、結果だけを見るのではなく、プロセス管理をしっかりやることによって、だんだん事務所が変わっていきました。言葉を大切にしたり、プロセス管理のためにきちんと書類を作ったりするようになったのです。

グループのアピールと職員育成にも注力
―― この厳しい環境のなか、顧客の中小企業を支えるためにどのような戦略をお考えでしょうか。
石川 まず、お客さまに税務を中心とした多種多様なサポートを提供できることが原点としてあります。私たちのお客さまの多くは、従業員が50人以下の企業です。その社長のあらゆる心配事をワンストップで解消できる、ベストパートナーという位置づけで活動しています。
―― 税理士をはじめ、行政書士や司法書士、社会保険労務士などの役割をすべて担うということですね。
石川 そのとおりです。利益の上がる会社になるために、社外からお手伝いできることは必ずあるはずです。
 また、このような特長をお客さまに広く知っていただかないと、事務所が成長しません。それには、セミナーを開催したり、交流会を作ってアピールしたりしていく必要もあります。
―― 石川先生ご自身も、自ら進んで対外的な活動に取り組まれていますね。
石川 これからは私や水谷だけでなく、大勢いる若手社員にも、いろいろな勉強グループに分担して参加させようと考えています。彼らには、外の空気に触れることが必要です。事務所のなかで目の前の仕事ばかりこなしていては、成長は望めません。お客さまである社長の目線から物事を考えられるようになるためにも、外に出なければなりません。

社長とのコミュニケーションを促進する「社長の四季」
―― 顧客企業を支援するためのツールとして、㈱プロスの「社長の四季」を導入されたのはいつごろでしょうか。
石川 おそらく20年近く前になるでしょう。
 それまでは決算書を作るために残業ばかりしていたので、社長の四季を初めて見た時はまさに「目から鱗」でした。これほど簡単に決算分析提案書が作れるなら、絶対に活用すべきだと思いました。なによりも、計算や分析に費やしていた時間が大幅に節約されます。
 また、その結果として出てきた数字をどう説明するかが重要ですが、決算書の内容をお客さまに分かりやすく伝えるためのツールとしても、非常に有効でした。
水谷 社長の四季は、社長とのコミュニケーションをしやすくするという意味でも、すばらしいツールだと思います。例えば赤字決算の場合、そのことをもっともよく分かっているのは社長です。決算書は、社長にその事実をあらためて突きつけるようなものですから、なるべく追い打ちをかけるような言い方はしたくありません。このような時、社長の四季と事業計画システムを使い、5年~10年というスパンの話から現状を示して、さらに「経営コーチ」のスキルを活かし、「今後どうしましょうか」といった前向きな提案に結びつけることができます。個人的には、ここが一番大きいと思います。
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「経営コーチ」で経営者をサポート
―― お客さまとのコミュニケーション能力向上という面では、経営者のサポートを行う経営コーチも導入されていますね。
水谷 経営コーチは、こちらが話すというよりも、いかに聞き出すかという技術を身につけるために使っています。お客さまに対するコーチングは、以前所長と一緒に学んだことがあり、おもしろいと思っていました。それを職員向けに、事務所のなかで学習できるスキルという点に惹かれて導入しました。これは、人の話をきちんと聞いて、きちんと返すことを学べる優れた教育ツールだと思いますし、そこが一番大きいですね。
 事実、コーチングのDVDを観ている若いスタッフが、一方的に話したり聞いたりするだけでなく、相手に気づいてもらうことが重要だと分かるようになってきたと言っています。
―― 経営コーチによって社長との対話が深まると、次にどうすべきかという気づきも出てきますね。
水谷 よくスタッフに言うことですが、例えば池に石を投げると水面に波紋ができます。その波紋を広げるのも止めるのも自分しだいです。ですから、とにかく話を聞いて、一歩でも二歩でも踏み込んでいけるようにするのが、コーチングのスキルではないかと思います。
―― それによって、お客さまの評価も変わってくるのではありませんか。
水谷 そうですね。既存のお客さまには、名刺が変わったといって「経営コーチ」と印刷されたものを渡すと、興味を持ってもらえる場合があります。それをきっかけに、社長の思いなどをあらためて聞かせていただければ、決算書に表れない部分での気づきが得られます。
 また、若いスタッフたちが動きやすいような環境を整えることも、私の仕事だと思います。経営コーチは、そういう若手のフォローにも利用できます。なにしろ当事務所には35年の歴史がありますから、彼らの知らないこともたくさんあります。そこで、例えば古くからのお客さまについての情報などを教えてあげたり、何か困っていることがあったら、それを聞き出したりするのにも役立つのです。
―― 経営コーチが社員とのコミュニケーションにもうまく活かされているわけですね。
水谷 そうですね。所長も昔から、「事務所は訓練の場だから、どんどんやりましょう。内部で経験を積んでおけば、外に出た時に怖くないから」と言っています。

「社長の四季」で業務を効率化
―― 実際に社長の四季を活用して成功した事例があれば、ご紹介いただけますか。
水谷 赤字の会社は産業廃棄物の許可申請の際に、中小企業診断士の診断書が必要ですが、その依頼がかなりあります。そこで、社長の四季で現状分析を、事業計画システムで5カ年計画をおこなう仕組みを作りました。ヒアリングで何を聞けばいいのか、どう計画すべきかといったことがすべてマニュアル化してあり、大変効率的で使いやすいものになっています。
 私も実際に利用していますが、現状分析も課題抽出も簡単です。そして、5カ年計画をどのように組んで、最終的にどういう数字になるか、設備投資や人的投資をどうするのかをヒアリングで聞き取ります。この仕組みを使えば、2日程度で診断書が作成できてしまいます。
―― 社長の四季を有効活用して、提案書に結びつけているわけですね。
水谷 例えば、マネージメント・パワーでは数字を扱いませんから、新規のお客さまには、まずこちらをやっていただきます。続いて、決算書類をお預かりして決算診断、そしてマネージメント・パワーと一緒に提案しています。
―― 新規のお客さまに対して、そういう分かりやすい形で示せることは、戦略として大きいですね。
水谷 私が社長の四季で好きなところは、数字だけではないこと、読みやすいことです。また、必要なデータだけ抽出して会議資料を作成することもできますし、逆に見せたくないデータは隠したり、強調したい部分を目立つところに配置したりすることができるといった使い勝手のよさも魅力です。

新しい気づきが事務所の成長につながる
―― 石川先生に、グループとしての今後の成長戦略を伺います。
石川 やはり経営計画とセミナーです。現状のお客さまに対するベストパートナーとしての仕事だけでは、私たちは成長できません。新しい気づきや考え方は、新しいお客さまが教えてくれます。新しいお客さまから「こういうことはできないか」と言われることで、新しい勉強を始められるからです。また、それが当たり前と感じられる社風にしなければなりません。
 経営コーチの教育教材は、形を変えたマナー研修ともいえます。この教材によって、お客さまに「さすが石川経営だ。来てくれてよかった」と言っていだたけるようにならないと仕事になりません。自分たちの成長が事務所の成長、ひいてはお客さまの成長にも結びつくのです。
 自分から進んで何かに取り組むことなく、指示を待っているだけでは、何年経っても変わることはできません。その意味では、私たちの事務所も発展途上ですから、朝礼や経営計画発表会、個人面談など、さまざまな手法を用いて、自分たちはなぜ働くのかを一緒に考えています。
 一方、私は社員に、「石川経営に入ってよかった」と言ってもらえるようにしなければなりません。それは、私や事務所だけでなく、職員の将来のためでもあります。そう考えると、職員の成長と事務所の成長は必要不可欠といえます。職員を犠牲にして、会社だけ成長することはありえません。
 そして、そういう私たちの姿をお客さまはしっかり見ています。「石川経営は人数が増えた」とか、「担当者の言うことも変わった」といった変化を知ることで、「石川経営に頼めば、わが社も伸びるだろう」という評価につながっていくと思います。

交流会でビジネスチャンスを創出
―― 現場のトップとして、水谷専務はどのような成長戦略をお考えでしょうか。
水谷 先ほども触れたように、さまざまな形での交流会を考えています。例えば、事業承継に焦点を絞り、二代目となる若手の方を集めて会員制の交流会を作り、会員にさまざまなサービスを提供していきます。
 同時に、企業間コーディネーターとしての役割も担いたいですね。当事務所のお客さまの業種は多岐にわたりますが、お互いを知りませんから、当事務所を介してそれぞれが求めているものをマッチングさせます。それを含めた交流会も考えています。
 とにかく、うちのお客さまだけは守りたいというのが正直なところです。景気のいい時は黙っていてもどんどん成長していきますが、こういう厳しい時代だからこそ、お客さま同士のビジネスチャンスを創り出していかなければなりません。
 また、当事務所をもっと認知してもらうための活動もしていく必要があります。所長と私はもちろんですが、スタッフ全員が発信塔の気持ちで動いてほしい。その意味で、最近地元のお客さまが増えているのは嬉しいですね。

セミナーを核とした成長を目指す
―― 最後になりますが、石川経営会計グループの将来に向けた展望について、石川先生にお伺いします。
石川 社内、社外を問わず、セミナーを数多く開催していこうと考えています。そのためには、自分たちがどのくらい勉強して情報を「仕入れ」ているかが鍵となります。勉強方法は、本を読んだり、CDを聴いたり、DVDを観たり、社外のセミナーや交流会に出るなどさまざまです。それを仕事が忙しいなかでもできていれば、お客さまを訪問した時に「忙しくて......」と言われても自分の経験を語れます。
また、事務所のなかで率先して勉強会を始めるなど、リーダーシップを発揮していれば、訪問先の社長に対しても臆することなく話せるでしょう。たとえ小さなことでも、自分が実践して効果を確かめたものであれば、お客さまに勧めることができます。
 次に必要となるのは、それを広めていけるかどうかです。その起爆剤がセミナーであり、経営企画発表会や朝礼です。その意味で、当事務所は会議を重視しています。
 職員たちがどのくらい「仕入れ」られるかに、事務所の将来がかかっています。その前提条件となるのは、自分が何を目指すのか、なんのために人生を送っているのかという考え方です。
 私たちは、資格を持っていれば「先生」と呼ばれますが、そう呼ばれるだけの行動をとる必要があります。先生らしく振る舞うこと以上に、一生懸命勉強しているかが問われるのです。仕事に打ち込むのはもちろん大事ですが、それは当然のことともいえます。肝心なのは、社長が納得してくれるだけの行動を見せられるかどうかでしょう。ですから、お客さまのあいだを駆け回ることも勉強ですし、そこから得たものをセミナーに出してほしいですね。
―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。石川経営会計グループの躍進に期待しています。
(実務経営ニュース Vol.131より)