決算診断は最大のビジネスチャンス! 税理士・会計事務所のための決算診断システム「社長の四季」

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経営計画とマーケティングの融合で多面的な顧客支援を実現

アミエル税理士法人  代表社員 税理士 留目 津

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アミエル税理士法人(神奈川県横浜市)は、多面的な顧客支援を持ち味とする会計事務所である。会計人の多くが苦手とする顧問先企業のマーケティング支援に取り組んでいるほか、株式会社プロスの決算診断システム「社長の四季」を活用した診断提案や事業計画に基づく経営改善指導にも力を入れている。さらに情報提供の場として経営塾も開催しており、顧問先企業からは「攻めの会計事務所」という評価を得ている。同法人の代表社員を務める留目津氏(写真)に、事務所経営の方針、今後の展開についてお話を伺った。


税務とコンサルティングの2本柱で顧客を支援
―― 最初に、アミエル税理士法人の沿革を伺います。
留目 当法人の設立は平成17年11月です。以前に勤めていた会計事務所の先輩OBと一緒に立ち上げました。
 個人事務所の場合、自分が倒れた時のことを考えると不安です。何かあった時に、お互いに支え合える仕組みがほしいと思ったのです。
 税理士法人化には、垂直型の統合や対等型の合併などのパターンがありますが、私たちの場合は互助会型といえるかもしれませんね。
――  「アミエル」とは珍しい名前ですが、由来を教えていただけますか。
留目 この社名はある方に付けていただいたものなのですが、19世紀のスイスの哲学者で、詩人のアンリ・フレデリック・アミエルからとっています。約30年にわたってつづられ、没後に出版された『アミエルの日記』が有名です。
 「アミエル 会計事務所」で検索しても、同業者は1件もヒットしませんから、その意味ではユニークと言えますね。
―― 留目先生は税理士法人だけでなく、株式会社コア・コンサルティングの代表も務めておられます。
留目 コア・コンサルティングは、アミエル税理士法人発足の2年前、平成15年6月に設立しました。
 会社の組織作りや事業の仕組み作り、会計・経理システムや業務管理システムの導入、節税や相続対策をはじめとする資産運用、企業の増収増益に関する相談など、幅広いコンサルティング業務をおこなっています。
 併設の「新横浜経営塾」では、経営計画の作成から実践までをサポートする勉強会を定期開催しています。


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経営支援に欠かせない決算診断システム
―― 留目先生は、多面的な顧問先支援に取り組んでおられる印象です。
留目  「お金の残る」経営をお客さまに提供したいという思いが基本にあります。
 そのためには、会計事務所の基本業務である記帳代行や記帳指導、税務の申告以外に、経営の改善や資金繰りの改善、売り上げの向上などの面でもお役に立てなければなりません。
―― 顧問先の経営を支援するにあたって、どのようなツールや手法を使っていますか。
留目 まず、(株)プロスの決算診断システム「社長の四季」を使い、決算診断から事業計画まできちんとしたものを作成します。そのうえで、お客さまに「本年度はこれだけの年商を上げる」という意識を持ってもらいます。
 事業計画を作るだけでなく、先ほど申し上げた経営塾で定期的に勉強会も開いて、お客さまをフォローしていきます。
 また、ちょっとした工夫で売り上げがぐんと伸びることもあります。私がマーケティング・アドバイザーとして手がけた案件で、売り上げが前年比で180%に伸びた例があります。
―― それはすごいですね。どのように指導されたのでしょうか。
留目 最大の成功要因は、具体的な数字目標を示し、「これだけ売り上げが伸びれば黒字になります。そうすれば、銀行からの借り入れも楽になります」などと話して、経営者のやる気を引き出せたことだと思います。
 このお客さまは横浜市内の飲食店ですが、春に実施したフェアで、売り上げが大きく伸びました。そこで、この成功モデルを開店○周年キャンペーンや忘年会などにも適用することを提案しました。1回かぎりで終わらせるのではなく、時季に合わせて形を変え、何度も実施することで、年間売り上げが大幅に伸びたわけです。
―― 決算書をもとにした経営改善指導などはされていますか。
留目 いつも言っているのは、会社としての資産をできる限り少なくすることです。要するに、余分なものは持たない。在庫の回転率など、余分な資金を投下して寝かしておかないようにしましょうということです。
―― マーケティングや経営指導に着目したきっかけは何でしょうか。
留目 売り上げ不振にあえいでいるお客さまが多かったので、なんとかお手伝いできないかと考えたことです。
 実際に、ご紹介した飲食店をはじめ、複数の企業に売り上げ増のためのご提案をしています。
 業種や業態はさまざまですし、社長のやる気も大きく影響するので、すべての案件で成果を上げるのは難しいかもしれません。また、会計事務所の通常の業務よりも苦労はありますが、そのぶん結果が出せた時は大きな喜びが得られます。 

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分かりやすさが魅力の「社長の四季」
―― 先ほど社長の四季のお話が出ましたが、導入された経緯をお聞かせください。
留目 独立前に勤めていた会計事務所でも、社長の四季を導入していました。実際に使ってみると分かりやすく、当時から「よい製品だな」と思っていました。
 決算書の内容をすべて理解している経営者は、おそらく少ないでしょう。社長の四季の優れているところは、最低限押さえておくべきポイントを分かりやすく示せることです。
 ですから、独立してすぐにでも導入したかったのですが、まず会計事務所としての体力を蓄えたうえで、3年前に導入しました。
 現在は私の手を離れ、同じ税理士の糠森が中心となって活用しています。
―― 現在、どのくらいのお客さまに社長の四季を活用していますか。
留目 約4割です。それらのお客さまには、具体的な数字を示しながら、経営改善のためのさまざまなご提案をしています。


事務所の成長につながる人材育成
―― 税理士法人として順調に成長を続けるなかで、現在解決すべき課題はありますか。
留目 最大の課題は人材の育成です。
―― それに対し、どのような取り組みをされていますか。
留目 具体的には、私はほとんど仕事を抱えず、スタッフに任せるようにしています。それにともない、権限も委譲しています。最終判断は私が下すとしても、ある程度自分で動いて判断させることで力を付けていく、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)に近い形といえるでしょう。
 しかし、困っているところを見るとつい手を差し伸べたりしてしまいます。本人の成長のためには黙って見守るほうがよいのでしょうが、そこが難しいところです。
 スタッフの成長は、事務所の成長につながります。例えば、以前は新規のお客さまを開拓するのは私の仕事でした。それが、スタッフが担当するお客さまからの紹介で、新規のお客さまが増えています。これは、スタッフが成長することで、お客さまとのコミュニケーション能力が向上し、信頼されるようになったことの現れであり、大変嬉しいことです。
―― 年間で新規のお客さまはどのくらい増えていますか。
留目  今年は少し多めで、約30件です。


社長の四季を通じたネットワーク作り
―― 社長の四季を通じて、高知の会計事務所とつながりができたと伺っています。
留目 私たちのお客さまに、代官山で美容室を経営する有名な美容師さんがいます。その方には全国に仲間がいて、高知の美容師仲間から「積極的」で「攻め」のタイプの税理士を紹介してほしいと頼まれたそうです。
 相談を持ちかけられて、社長の四季を導入、活用している税理士さんなら、前向きな提案ができるのではないかと思い、プロスさんにお願いして税理士の先生を紹介していただきました。
 その先生には私が直接電話したのですが、最初は「なぜ横浜の会計事務所から」と不審に思ったようで、紹介会社かと疑われてしまいました(笑)。もちろん、現在ではその先生とは良好なネットワークを築いていますよ。
―― その高知の美容師は、税理士を変えたことで何か変化はありましたか。
留目 以前は決算書に直面するのが怖く、数字から逃げていたそうです。しかし決算診断を受けて、見なければいけないと考えを改め、見始めたら売り上げも伸びてきたとのことです。
 また、あまり見えを張ることもなくなったそうです。以前はスタッフ全員を連れて食事をおごったりしていたそうですが、決算書が思い浮かぶようになって控えたそうです。
―― 留目先生は、社長の四季のユーザーで構成される決算診断実践会の会員でもありますね。
留目 はい。今回の例のように、社長の四季を通じて全国各地の先生とネットワークを作り、いっそうお客さまに喜んでいただければよいと思います。


決算診断とマーケティングの融合
―― 留目先生のお話を伺うと、マーケティングと決算診断を融合した顧客サービスを展開しているのが印象的です。
留目 マーケティングだけ一生懸命やっても、逆に継続しなくなってしまうおそれがあります。
 また、営業活動ばかりに注力すると、お客さまをどうやって守るかがおろそかになりがちです。そこのバランスをしっかりとる必要があります。お客さまをたくさん増やしても、それを維持できずにどんどん逃がしていっては意味がありません。
 この厳しい環境下で、中小企業のお客さまがもっとも望んでいるのは、決算診断で出た評価をきちんと示し、弱かったところを次年度の事業計画で補強するといった指導ができる会計事務所でしょう。
 税務の申告だけであれば、会計事務所に頼まなくても、パソコンのソフトで決算書ができてしまいます。


さまざまなメリットをもたらす勉強会
―― 先ほどお話の出た新横浜経営塾について教えていただけますか。
留目 新横浜経営塾は、顧問先と外部の方を対象とする勉強会です。
 せっかく社長の四季を導入したのに、決算報告会だけではなかなか伝えきれないものがあります。決算は年1回ですし、その場限りで終わってしまうからです。
 そこで、1年間を通してきちんと社長をフォローするために、まずは勉強会をさせていただこうという趣旨で始めました。
 ひとつのテーマについて、2時間の講座を3、4カ月かけて3から5回実施します。これを年間3、4クール繰り返します。1回あたりの参加者は10名前後です。
 各講座はどの回も初回は無料です。実際に聞いたうえで、よさそうなら続きを受講していただけます。また、顧問先の方は一般の受講者よりも割安な料金となっています。
 講師は、私や糠森をはじめとするアミエル税理士法人のスタッフのほかに、外部から招聘することもあります。
 始めてから3年くらい経ったでしょうか。
―― このような取り組みは継続することが重要だと思いますが、長く続けるのは大変ではありませんか。
留目 確かに大変ですが、メリットもあります。
 まず、事務所を知ってもらうためのツールになることです。それにより、顧問先以外の参加企業から、新規のお客さまが生まれるケースがあります。
 さらに、お客さまとのコミュニケーションの場にもなります。勉強会のあとに開いている懇親会では、お客さま同士で話が盛り上がったりします。


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今後は中小企業の海外進出支援も
―― アミエル税理士法人の、これからの中期的な成長戦略をお聞かせいただけますか。
留目 現在、海外進出を考えている中小企業が増えていると思います。少子高齢化により国内マーケットはだんだん縮小していますし、諸外国に比べると日本は税率が高いからです。そういう方たちの後押しや情報提供をしたいと考えています。
 私の夢は、世界中の中小企業と会計で手をつなぐことです。その実現に向けて、5年以内には海外支店を出したいですね。
―― 海外というと、具体的にはどのあたりを想定していますか。
留目 今考えているのはベトナムです。あとは南米かインドでしょう。中国は、すでにある程度成熟して固まってきたと思います。
―― ベトナムに着目された理由は何でしょうか。
留目 政治的に安定していますし、日本の中小企業にとってチャンスのある地だと考えているからです。これについては、現在の顧問先にも経営塾のなかで話しています。
―― 海外支店ができれば事務所発展の可能性は大いに広がりますね。
留目 そうですね。日本人の枠を超え、地球人としていろいろなことができたら面白いでしょう。そのために、一地域ではなく、日本全体、そして世界も含めたグローバルなネットワーク作りのお手伝いができればと考えています。それにより、顧問先企業がどんどん世界に出ていくことができたらすごいだろうと思います。
 会計事務所はそんなことができるポジションにいるのです。
―― 本日は貴重なお話をありがとうございました。アミエル税理士法人のさらなる発展を祈念しています。